「予期せず、親の持っていた狭い土地を相続することになったけど、自分では使わないし、放っておいても税金などがかかるだけだし、一体どうしよう……」と悩む人は多いですよね。
もし、この5~20坪程度の狭小地を有効活用したい場合には、どのような方法があるのでしょうか?
また、活用するか手放すか決める場合の判断は、どうやってすればいいでしょうか?
狭小地専門の買取業を営む当社『小さな土地買う.com』の視点から、解説していきます。
都市部の狭小地を活用する主な方法
東京や大阪など、都市部の狭小地を活用する方法には、主に下記の4種類があります。
- 賃貸に出す ※家が残っている場合
- 駐車場、もしくは駐輪場にして貸し出す
- トランクルームを経営する
- 『akippa』など空きスペース活用サービスに登録する
【1】賃貸に出す ※家が残っている場合
狭小地に建物(家)が残っている場合の活用方法として有力なのは、建物を適宜リフォームして、賃貸に出す方法。
要は、“自分が戸建て投資のオーナーになる”ということです。
リフォームの費用は、残った建物の具合によって異なりますが、居住に必要最低限なリフォームのみ行うのであれば、100~200万円程度で済む場合が多いです。
仮に200万円のリフォーム費用がかかった場合、家賃を月/10万円に設定すれば、単純計算ですが20ヵ月で回収できます。
戸建ての場合、1度入居したら長く住む傾向があるので、初期費用(リフォーム費用)の回収は難しくないでしょう。
エリアによっては、リフォームにかかる費用に対し、家賃を高めに設定しても入居者が付きやすいという、収益上のメリットが大きい活用方法です。
【2】駐車場、もしくは駐輪場にして貸し出す
狭小地に建物がない更地の場合、駐車場に改装して貸し出すという活用方法があります。
駐車場経営には、
- 建物を新たに建てなくても経営できること
- 契約者が途切れなければ安定した収入を得られること
- 災害リスクが少ないこと
- 付近に駐車場が少ない都市部では高い需要が見込めること
などの、様々なメリットがあります。
ただ、あくまで狭小地なので、車を1~2台停めれるスペースしか作れません。月々の収益としては、3~6万円程度でしょう。
駐車場の改装は簡単ではなく、アスファルトの施工や車止めの設置にはもちろんお金がかかりますし、コインパーキングの設備を整える場合はさらに多額のお金がかかります。
先述した、家のリフォーム費用より高くなるケースも、少なくありません。初期費用に対して得られる収益は少ないので、「更地の狭小地を無駄にしないならそれで良し」という考え方でないと、大変な活用方法かもしれません。
更地の狭小地は、小さな駐車場にするほかに、駅に近い場所であれば駐輪場にする方法や、駐車場+自販機スペース、駐輪場+自販機スペースにするといった、活用方法があります。
【3】トランクルームを経営する
狭小地にコンテナなどを置き、屋外型のトランクルームを経営することも、狭小地活用方法の1つです。
都市部では住居が狭いため、物置としてのトランクルームの需要が結構あります。比較的利回りの良い土地の活用方法として、近年注目されているのです。
トランクルーム運営に必要な初期費用は、コンテナの設置のほか、外灯・防犯カメラ・ロックなどを設置にかかる200~500万円ほど。
初期費用は決して安いとは言えませんが、「荷物を預かる」だけなので、他の賃貸経営と比べて、管理の手間は少なめなことがメリットです。
狭小地が比較的広い場合(20坪程度)や、駐車場と併設できる場合などにおすすめの活用方法です。
【4】『akippa』など空きスペース活用サービスに登録する
駐車場のシェアリングサービス『akippa』などに代表される、空きスペースの活用サービスに登録することも、狭小地の上手な活用方法の1つです。
『akippa』がそうなのですが、空き地の登録にあたって設備が不要であれば、工事にかかる初期費用を浮かせられるという大きなメリットがあります。
収益性は実際にどれだけ利用されるか次第であり、うまくいって月2~3万円の利益だと思われますが、“貸しも売りもしないで持て余すよりはお得”です。
本格的な狭小地の活用方法を決定する前、すなわち「どうしようか?」と考えている間にでも着手できます。
《参考》
狭小地を活用する「以外」に何とかする方法
ここまでは狭小地を活用する、具体的には“何らかの形で運用する方法”について述べてきました。
何らかの形で運用して活用する以外にも、相続で受け継いだ狭小地の扱い方は様々あります。主な方法は下記の3つです。
- 狭小地の相続を放棄する ※相続前の場合
- 狭小地を自治体か個人(隣人など)に寄付する
- 狭小地を売却する
ただし、相続放棄は関連の手続きが面倒でありお金もかかること、そして寄付が受け入れられるケースは自治体・個人ともに少ないことから、【1】と【2】の選択肢は、あまり現実的ではありません。
よって、狭小地を運用することはしたくないが、税金などがかかるまま手元に置いておくのも困るという人の多くが、狭小地の売却を選ぶことになります。
狭小地を活用するか、売却するか悩んだ場合の判断基準
狭小地を活用するか、それとも売却するか、どちらかに決めるための最も大事な判断基準は、「自分が手間をかけてやってもいいと思えるか?」です。
どのみち狭小地の活用では、大儲けできることはほぼ無いので、収益性の有無よりも、管理者としてのモチベーションが大事になります。
例えば管理会社と契約せずに、自主管理で戸建てを貸した場合、入居者から「エアコンが壊れた!」などの連絡があれば、すぐに行かなくてはいけません。それらの対応のために、予期せぬ出費がかさむこともあります。
この前提を理解したうえで、それでも「オーナーになってみたい!」「やはり狭小地から収入を得てみたい!」という人は、狭小地の活用(運用)にチャレンジするといいでしょう。
逆に、管理の負担が自分にとって厳しそうなら、さくっと狭小地の売却をしてしまうのが無難です。
「手間のかかることは全部おまかせOK」というような、狭小地専門の買取業者に相談することを、おすすめします。
⇒ 当社『小さな土地買う.com』も狭小地専門の買取業者です
ーー悩んだ結果、「狭小地の売却」を選んだパターン
ここでは、実際に『小さな土地買う.com』であった事例をご紹介します。
50歳で親御さんの狭小地(実家)を受け継いだAさん。
残った家のリフォームにかかりそうな費用は最大150万円で、周囲の相場から割り出した適正な家賃で貸し出すと、3~5年で回収できる計算でした。
(更地にしたあと駐車場を作る方法は、工夫しても車を1台分しか停めるスペースがないため、選択肢から外れました。)
そして、狭小地の売却の査定金額は300万円ほど。
初期費用150万円で戸建ての賃貸経営をするか、300万円で狭小地ごと手放すか悩んだAさんですが、「今から新しくオーナー業を始めるのは負担が大きい」ということで、売却を選びました。
3~5年でリフォーム費用を回収できるので、賃貸に踏み切る方法ももちろん悪くはありません。
しかし、戸建ての維持管理にかかる手間・費用と、得られる家賃収入(入居者がいなければゼロかもしれない)を天秤にかけた時、Aさんにとっては管理の大変さのほうが重かったということです。
先にも述べたように、莫大な収益性を持つわけではない狭小地においては、「自分がオーナーとしてやれるかどうか?」が、1番の判断ポイントとなります。
まとめ
- 家が残っていたらリフォーム後、賃貸に出す
- 更地の場合は、駐車場or駐輪場にする
- 『akippa』など空き地の活用サービスを使う
これらが、持て余している狭小地をうまく活用できる、主な方法です。
なかなか最終的な決断を出せずにいるなら、3番目の「空き地の活用サービスを使う」方法を、とりあえず使うだけでもいいと思います。
立地による幅はありますが、月2~3万円程度の利用料を得られれば、家計の足しになり嬉しいですよね。
ただし、狭小地を運用することには、様々な苦労もあります。
特に「オーナーになりたい!」という希望を持っているわけではなく、運用の手間をこうむることも避けたいのであれば、狭小地を売却するとよいでしょう。
もし狭小地の売却を検討するのであれば、一般の不動産業者ではなく、狭小地専門の買取業者に依頼することをおすすめします。
一般の不動産業者が「この狭小地は買えません」と断る土地も、狭小地専門の買取業者なら、買い取ってもらえる確率が高いためです。
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当社『小さな土地買う.com』は、大阪市内・池田・豊中・箕面・吹田・高槻・茨木を対象エリアとする、狭小地専門の買取業者です。
相談は無料ですので、活用をしない・やめたい狭小地がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。